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右でも左でもないど真ん中.石井希尚(Marre)のブログ

アイドル謝罪事件と台湾の武士道

 

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2016年1/19
◼︎SMAPの謝罪と台湾アイドル・ツウィ

独立・解散騒動の渦中にある人気グループ・SMAPが18日、フジテレビ系『SMAP×SMAP』に生出演して騒動について謝罪した。 別に悪いことしたわけでもないのに、犯罪でも犯したみたい怖い顔して謝罪するっていうのはどうなの?って思ったのは僕だけ?

 

■台湾総選挙で圧勝した独立派

去る16日、台湾で史上初の女性総統が誕生したね。
民進党蔡英文(さいえいぶん)女史。
与党だった国民党に大差をつけての圧勝。
これらの日本と台湾の関係が楽しみになってきたぞー。
なんてったって、台湾は武士道が溢れる国なんだから。

台湾人の圧倒的多数が蔡英文(さいえいぶん)女史を選んだというのは、「台湾は中国じゃないぞ」という意思表示なんだよ。
台湾は、中国の脅威に対して「ノー!」を突きつけた勇気ある国なんだ。

実はね、中国は「台湾は中国の一部だぞ、このやろー。独立なんて考えたらゆるさねーぞ!」というのが国策であり国是なんだ。
「一つの中国」という基本原則だ。
これを押し付けようとしている。

 

これはねもうSMAP4人の独立問題どころか、国家存亡をかけての戦いなんだな。
中国は台湾が独立志向を強めたときはミサイルを撃ち込んだんだからね。
でも台湾は、そんな脅かしに屈せず自主独立路線を貫く意思をみせたということなんだ。

 

■二国論

台湾には「二国論」というのがある。
「台湾は台湾であって中華人民共和国ではない」ということだ。。
「俺たちは独立した国だぞ。そもそも共産主義じゃないし、中華人民共和国がうまれる前から存在してるんだからな。あとから勝手に共産主義の国を作ったからって、俺たちまで一緒にするなよ」ということだね。

そもそも台湾っていうのは、もともと蒋介石(しょうかいせき)ひきいる中華民国なんだよ。「清国」が滅亡して、最後の皇帝愛新覚羅溥儀(あいしんかくら・ふぎ)』が退位した後に興った国だ。

 

でもその後、国内で共産党軍との内戦が起こったんだ。
そして、蒋介石(しょうかいせき)ひきいる国民党軍は敗北して台湾島に逃れた。
これが今の台湾だ。
だからもともとは、中国大陸にあった「中華民国」が、今の台湾というわけだよ。

一方、毛沢東(もうたくとう)率いる共産党軍は中国全土を掌握した。
そして「中華人民共和国」という共産主義の国が建国されたわけだ。
これが今の「中国」だね。
だから、台湾(中華民国)と、中国(中華人民共和国)は、別の国というわけだ。

でも中国は、圧倒的な軍事力と経済力によって台湾に今も圧力をかけ続けている。
「もともと一つの国だったじゃねえか!だから一つなんだ。
台湾なんていう独立国は存在しねーんだぞ」とね。

今回の総統選挙で敗れた現職総統馬 英九(ば えいきゅう)の時代、台湾は中国にグッと近づいた。経済的に中国に飲み込まれ、一つの中国が実現しそうな勢いだった。
でも今回、台湾人はそれにノーを突きつけたというわけだ。

新しく総統に選ばれた蔡英文(さいえいぶん)女史は生粋の「二国論」主義者だ。
つまり台湾は中国じゃない!という強い考えを持っているんだ。
台湾国民は、彼女に台湾の未来を委ねたんだな。
 

■台湾の英雄

でも、この彼女が、今の彼女であるために、重要な役割を果たした人物がいる。彼女をを育てた大人物だ。

その人こそ、台湾元総統李登輝(りとうき」氏だ。
1988年に台湾総統代行となり、1990年から2000年まで総統だった。
彼は台湾民主化の父で、彼が総統だった時代に、台湾は近代的な民主国家として飛躍的に発展して今がある。
熱心なキリスト教徒(プロテスタント)で、メリカ留学経験もあるし、英語も堪能で、国際的な感覚にすぐれているので、世界的に評価が高い。
もちろん、日本語もペラペラだ。

彼こそが「二国論」を最初に提唱した人物だ。
彼こそが、台湾は台湾であって、中国とは違うという強い姿勢を明確に打ち出した勇気ある指導者だ。
彼の「二国論」に激怒した中国は、前述したようにミサイルをぶちかました。
それでも、李登輝総統はひるむことなく、彼の姿勢はぶれることもなく、台湾は彼の元で発展を遂げてきた。

彼の元で育ってきたのが蔡英文(さいえいぶん)女史。
実際には、李登輝氏が、二国論を発表したときの草案づくりに関わっていた。
李登輝は今も台湾人にとっての精神的支柱だ。
彼が蔡英文(さいえいぶん)女史の背後にあって、彼女を全面的に支援してきた。
だから、今回の総統選挙は「圧勝」だったんだ。
 

■元日本人からのメッセージ!!!

そして、この李登輝こそ、「元日本人岩里政男なのだ!!!
彼は台湾の「日本統治時代」に育った。
彼が生まれ育った台湾は「日本の植民地」時代だったんだよ。明治28年からね。
だから、彼は日本人として育ったんだ。

その日本時代が終わったのは、第二次世界対戦での日本の敗戦だ。
日本がいなくなったけれども、中国大陸から逃れてきた蒋介石率いる国民党軍が統治して今にいたるわけだ。
ちょっと複雑だだね。

この李登輝さん、彼は武士道精神の人なんだ。
彼は日本人に対してこう言ってるよ。
日本人よ自信を持て、日本人よ「武士道」を忘れるな!(武士道解題)
彼はね、日本人以上に日本を愛し、武士道を理解している一人なんだ。

若い頃、彼は「生きること」「死ぬこと」について考え、追求し、悩んで育った。
カントや、トーマス・カーライルなどを読みあさった。
そんな彼が、日本の教育によって精神的な支柱を得たというんだよ。
「私の人生で一番影響を与えたのは日本統治時代の教育だった」というんだから。

こうも語っているよ。
日本の教育を受けていなければ、現在の私には、おのれの生命と魂を救う基本的な考え方が生まれなかった。

そんな日本の教育の中で、最大の影響を与えたのが「武士道」だったんだよ。
彼の中には武士道が息づいていて、その彼が台湾総統へと上り詰めて今の台湾を築いたんだね。
彼は自ら「武士道解題」という本を書いているんだ。
この本を書いた理由えをこう語っているよ。

日本文化の優れた精神性と美学的な日本人の情緒を何とか外国人や今の若い日本の人々に伝えようと考えたからです(誇りあれ日本よ、まどか出版p103)


■日本と台湾の未来のために

彼は今92歳。
「残りの生涯を台湾人、そして日本人を励ますために使う」と語っている。

この彼と志を一つにする政治家が、台湾史上初の女性総統に選出された(さいえいぶん)女史。いうまでもなく、大親日だ。

台湾は、世界で一番親日の国だけど、これまで以上に、日本とのつながりが強くなっていくだろう。

台湾は中国の脅威と戦っている。そして、日本も同じ戦いを強いられている。

 

そんな中、日本と台湾の関係は、これから非常に親密になっていくだろう。
これは、東アジアの平和と安定のために、非常に重要で大きな一歩だということを理解しておく必要があるね。