BRIDGE ~世界に広げよう日本の心~

右でも左でもないど真ん中.石井希尚(Marre)のブログ

トップリーダーの条件

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俺様はトップリーダーなのだ〜!

と息巻いていた舛添都知事が、議会でも「せこい」と非難される異常事態が発生している。
もともと舛添さんを支持していないし、投票もしなかったけれども「まさかここまでか!!」と思う今日この頃だ。


トップリーダーに求められるのは自浄能力だと思う。
自浄能力とは、自己修正能力だ。これは、自らの中にある悪や過ちを積極的に正していこうとする力のことだ。

人は誰もが間違いを犯す可能性があるからね。
正しいと信じてやったことでも、それが間違っていることなどざらにある。
だから、間違いを恐れていては何もできない。

大事なのは、間違いを発見したとき、それを正そうと思えるかどうかだ。
これこそ、権力の座についている者が持ち合わせているべき最も重要な資質の一つではないかな。


でも、自分の中にある惡に気づかなければ、どうしようもない。
だから、自己修正ができる人は、自分の中にチェック機能が備わっている人だということになる。
つまり、自分の歩むべき道の是非を判断する基準があるということに他ならない。
これがなければどうにもならないよな。

多くの人は刹那的な欲求により行動を決める。
やりたいかやりたくないかが行動選択の基準だ。
正しいか正しくないかは二の次になってしまう。
これじゃいけないよなー。

◼︎古代ユダヤのトップリーダー 

今から3000年前の古代イスラエルに、ダビデという王がいた。
イスラエル第2王朝の王で、イスラエルを統一したヒーロー。
日本でいえば太閤秀吉だよ。
エルサレムを首都に定めたのはこの男。
古代社会のトップリーダーだった。

彼は羊飼いとして育ったんだ。
でも、宿敵であるペリシテ人との戦いで
武功をあげ一躍に有名になった。そしてついには王に上り詰めた。
イスラエルドリーム!!
勇敢な武将であっただけでなく、イケメンで、おまけにミュージシャンだった。
彼は全てを与えられた『時の最高権力者』だった。
キングダビデっていう映画があって、リチャード・ギアダビデ役をやったね。
文字どおりイケメン。

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ダビデ王は多くの詩を書き、琴をかき鳴らして歌った。

メロディーは失われたけれども、彼の書いた歌詞が旧約聖書の「詩篇」に記録されている。

彼は旧約聖書の中で最も賞賛されている人物の一人。
彼の詩から、彼の資質を見てみたい。


詩編119:59 私は、自分の道を顧みて、あなたのさとしのほうへ私の足を向けました。
詩編119:60 私は急いで、ためらわずに、あなたの仰せを守りました。


この箇所から三つのポイントをあげたい。

①自己吟味の習慣
彼は大事なことを知っていた。
それはね、自分は意識しないと、間違った方向へ進みやすいということだよ。
人は気を抜くと気分の赴くままに生きる傾向がある。
だから彼は常に『自分の道を顧みる』ことを怠らなかった。
これは、間違ったらどうしようとビクビクすることではない。
自分の歩みがあるべき状態ずれていないかを常に吟味することだ。


②自分ではない判断基準
顧みるだけでは十分ではない。
彼には『守るべき道』があった。
彼が大切にしていたのは「あなたのさとし」なんだね。
あなたとは「神」のことを指している。
詩篇というのは、古代イスラエル人が神に向かって歌った賛美歌なんだよ。

彼は「こう生きるべき」という姿をはっきりと自覚して生きた。
それは神の言葉に教えられ、神の思いに同化することを願う道だった。
彼は、自己中心的で、エゴイスティックな道ではなく、浮世のしがらみを超えた高い道に生きることを心から願った男だったんだな。

別の言い方をすれば、彼には自分の歩みの善悪を判別する基準があったということだよ。
いくら自分の歩みを顧みても、それが是が非かを判断する基準がなければ不正や悪を発見することさえできないからね。

自己修正能力が正しく機能するためには、自分発ではない客観的な基準がなければならない。
ダビデは、高い神の道に生きる道、神の言葉をその基準として生きていた。
これが彼にとっての「ぶれない指針」だった。
それは彼の信仰からほとばしり出る情熱だったんだ。

あなたには、判断の基準がありますかあ?
それは自分の利益や自分の欲求に起因するものではない必要があるよ。
だって、自分にとって都合が悪く、自分にとっては不利益であっても、積極的に修正していくことを動機づけする基準でなければならないからね。
 

③先延ばしをしない
さて、彼はこう歌った。
私は急いで、ためらわずに、あなたの仰せを守りました。

彼は速やかにそれを行った。
修正すべきことを見つけたら、速やかに行動に移したんだ。
誤魔化しや言い訳の為に時間を無駄に使わなかった。
間違えを恐れるよりも、間違ったら速やかに正す姿勢が必要だ。

この三つを舛添さんは持ち合わせていないと思われる。
残念だなあ。

ダビデは、最高権力者でありながら、その座に慢心することなく、さらに上の権威を認めて生きた。
自分を「お山の大将」とすることを許さなかったんだ。
このような人間がトップリーダーだったらどんなにかいいだろう。


◼︎日本のダビデ
日本にもダビデのような人物がいたよ。
明治天皇。彼もまた多く詩をのこした。
それは御製(ぎょせい)と呼ばれてるよね。
一つだけ紹介したい。


目に見えぬ 神に向かいて 恥じざるは
        人の心の まことなりけり


かつて天皇として日本のトップの座についていたが、彼もダビデと同じように、神の道を求め、神の前に恥じない心で生きることを願った。

日本は古来から神の道を重んじる国だったはずだ。
私利私欲から目をそらし、高い道に自分を合わせようとする心を失ってはならないよね。でも、それは宗教とは異なる。

いくら宗教熱心でも、自浄能力が発動されないとしたら、
それは虚しい。
求められる姿勢は、まさに明治天皇の詩に込められている。

トップリーダーであるなしにかかわらず、他人の失敗から何を学び、どう活かしていくかが大切だと思う。

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自浄能力。
自分自身も襟元を正し、
精進していきたいと思いを新たにしている。