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BRIDGE ~世界に広げよう日本の心~

右でも左でもないど真ん中.石井希尚(Marre)のブログ

命のヴィザ物語って本当なの?

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◉命のヴィザ物語って本当なの?
去年封切られて、つい最近までやっていた映画「杉原千畝」。
まだやってるところもある。
杉原千畝さん。リトアニアの領事館にいた外交官。
命のヴィザを発行して、6000人のユダヤ人を救ったということで、彼のヒーロー物語はすっかり知れ渡っている。

映画の公式ホームページのキャッチコピーにはこうある。
一人の日本人が世界を変えた!
激動の第二次世界対戦下
日本政府に背き
命のヴィザを発行し続け
6000人にのぼるユダヤ難民を救った男の
真実の物語

映画の中の千畝さんは、ナチスから命も狙われちゃうんだ。
すごいなー! 
ナチスドイツのユダヤ人排斥運動に背いたから、邪魔者めー!っていうわけで、殺されかける。
それでもひるまず、「私は日本をもっといい国にしたいんだー!」ってなもんで、ユダヤ人差別の片棒を担いだ日本政府に反旗を翻し、ひたすら日本への渡航ビザを出し続けた。
そして、 6000人のユダヤ人の命を救った。
でも、結果的にその代償として、彼は日本政府から首を切られた。
自分の立場や命がどうなっても、
ユダヤ人を救うためにたった一人立ち上がった!!!
杉原千畝はヒーローだ!!!!
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 ひどいなー、外務省は。
最悪〜日本政府。
あーはずかし〜!!!人種差別に屈しなかった杉原を解雇するなんて!!!!
っていうのが真実の物語ってことになってる。
し、し、しーかーし!!!!!!
これは、真っ赤な嘘なんだぞー!!
 
◉日本政府に背いてない!!
これは真実の物語じゃない。
何が嘘かっていうと。
杉原千畝「日本政府に背いてない!」んだよ。
それに解雇もされていない!!!
え〜?そうなの?
そうなんです。
解雇されたどころか、命のビザの事件の翌年、それまでの功績によって『勲五等瑞宝章を授けられているよ。
しかもその後6年勤めて、退職金だってもらっている。
彼は日本政府に背いていないし、日本政府はユダヤ人へのヴィザ発行を禁止もしていない。
歴史の真実はというと、
日本はユダヤ人を受け入れたんですっ!!!!
そして、杉原千畝は、一外交官として日本政府の方針にのっとって行動していたんです!!

なにそれ?
まるで映画と違うじゃん?
そう。まるで違うんです。
この映画の問題は、本当の歴史の中に、嘘が混ざっているってことで、見た人たちが、これが本当のストーリーだと思いこんじゃうところなんだよ。
この映画には、とってもシンプルな善と悪の構造があるよね。

それは、
①日本政府はナチス・ドイツから逃れてきたユダヤ難民へのビザ発行を許可しなかった。
 日本政府はナチスドイツにおもねって人種差別に加担した=悪。
②それに対して、杉原千畝は、命が狙われようとも、全てを失おうとも、日本政府に背き、
 ナチスドイツをも敵にまわしてダヤ人を救った。
 彼こそ正義の人=善。

わかるよね。日本政府は悪で、杉原千畝は善っていう構図。
まるで米ソ冷戦時代の、ロッキー4みたいだよ。アメリカは善でソ連が悪!みたいな。
だから、この映画を見た人はこう思う。

「ったく、日本は、ナチスの片棒担ぎやがって。なんて無能でしょうもない国だったんだ。でも、杉原千畝がいてよかったー。日本人として救われた気分だ」

杉原千畝という人物がヒーロー化すればするほど、当時の日本政府や外務省の無能ぶりがいよいよ明らかになるっていうのがこの映画。
だから杉原千畝を賞賛し、結果的に日本政府を批判する、という方向に人々の考えが傾くわけ。
まるで、当時の日本が、ナチス・ドイツと同じような人種差別国家で、人類の敵であったかのような印象を持つように仕向けられるちゃうんだな。
映画だけじゃなくって、杉原千畝の命のヴィザ物語は、
基本的にそういうことになってるよね。
でも、でも、でも、デーモン小暮〜〜!!!
これが嘘なんだよ。

◉これは歴史の捏造
真実は、『日本政府は、ユダヤ人へのヴィザを出す許可を与えていた』ということなんだ。
だから杉原はヴィザを出した。
彼は外交官だから、当然知っていたわけ。
それはね、『本国が認めないかぎりヴィザは出せない』っていう当たり前なことだよ。
在外公館っていうのは、日本の出先機関なんだから。
日本政府と違うことはできない。
そういう風には機能しない。
そうでなければ、もはや国として機能していないってことになるからね。
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 仮にだよ、杉原が、日本政府の命令を無視して、勝手にヴィザを発行したとするよね。
でもそうだとしても、そのビザは日本政府が認めていないものだから『無効』となる。
だから、そのビザを取得して日本にたどり着いても、日本は絶対に入国を認めない。
その結果、その人は日本から「強制的に送り返される」という憂き目に遭う。
そういうものなんだよ。この当たり前なことを、彼は知っていた。
だって外交官だから。
 
◉入国審査事務は適当だったの?
あのさ、この物語ってさ、最初っから不思議に思ったことない?
「ん?本国、つまり日本政府が認めていないヴィザを、リトアニアにあった在外公館が勝手に出しても、それは有効なの?そのヴィザで日本に入れるの?」
っていう疑問だよ。

そもそも本国が認めていないヴィザを、一人の外交官が勝手に出す権限があるの?
さっきも言ったけど、答えはノー。
でも、まかりまちがって、勝手にハンコを押したとして、それが普通にまかり通るほど、日本っていうのはいい加減なわけ?
って思わない?
当時の入国審査ってのは、そんなに適当だったわけ?
平時じゃない。
戦時下だよ。
国際的緊張がマックスなときに、入国審査事務はそんな適当でよかったわけ?
国が認めていない無効なビザをもった人々が、何千人も大挙して入国できるほど、日本は「がら空き」なズボズボな国だったわけ?
why Japanese people!!!
んなわけねーだろー!!!!
なっ!!!

あのさ、よーく考えてみよう。
一人や二人ならそんなミスも起こる可能性もあるだろうね。
でもさ、6000人なんだよね?
6000人ものユダヤ人が、同じリトアニアで発行されたヴィザをもって大挙して日本にやってきたんだよ。
これは本当だ。
本当に起こったこと。 
彼らは、大挙してリトアニアで発行されたヴィザを持って、シベリア鉄道にのり、大脱出してきた。
 
◉世界を悩ませた難民問題発生!!
そう。彼らは「難民」だったわけ。
国を脱出して、安全な国へ、逃げる途中の人々だよ。
ナチス・ドイツのせいで、ヨーロッパに大量のユダヤ難民が発生したわけだよ。
もちろん、これは大ニュース。
世界中の新聞が報道している。
当時の日本の新聞だって、大々的に報道してるよ〜〜。
これは、世界の難民問題だったんだよ。
今はさ、ドイツやヨーロッパで、中東からの難民問題が深刻化してるよね???
ドイツのメルケル首相は、支持率急落だよ。
難民の犯罪が横行して、ひどいことになってるっていうのがドイツ国内の問題だ。
これは、今起こってるリアルタイムの問題だよね。
だから、今のこととして、感覚的に難民問題っていうのは理解しやすいよね。
10人20人じゃない。
トータル6000人の難民が大挙して、毎日毎日、日本に怒涛のごとくやってきたとしたら、
それは大ニュースだよ。
あったりまえだよね。
しかもナチスの人種差別主義によって、命からがら逃げてきたんだから。
そんなときにだよ、入国審査官がだね、どんなにボヤーッとしてたって、
「あれ?またリトアニアで発行されたヴィザをもってユダヤ人がきたぞ」
ってことに気づかないってことはない。
つまり、誰もがユダヤ難民の日本到着を知っていた。
入局管理局も外務省も日本政府もね。
あったりまえなんだよ。
大問題なんだから。
で、もしだよ。
本当に日本政府がユダヤ人へのヴィザ発行を禁止していたのだとしたら、到着したユダヤ難民は誰も入国を認められない。
彼らが所得したヴィザは無効なものだからね。
無効なヴィザだとわかっているのに、入国させるわけがない。
リトアニアの善良な一人の外交官がヴィザを出してくれたからといって、日本の入国審査官が、みなこぞって『はいどうぞ』と無効なヴィザだとわかっているのに、ユダヤ人を入国させるなんていうことは絶対におこらない。
それこそ、お役所しごと。
「決まりですから」で終わり。
次から次へとそのまま船で強制送還。
で、ユダヤ難民はシュプレヒコールを上げるだろう。
「俺たちを入れろ〜!」ってね。
でも、日本政府が、入国を認めていない以上、入国審査官にいくら同情心があったって、入れてくれない。
一人や二人なら、無効なビザを持っている人を、ついうっかり見逃しちゃうってことも起こり得たかもね。
あるいは、入国審査官の裁量で、「かわいそうだから、知らなかったことにしていれちゃえ」
ってなことがあったかもしれない。
誰にもわからないようにね。
いつの間にか、入国させちぇえってね。
知らないことに出来ちゃった可能性はある。
でも、数千人のユダヤ難民なんだよ。
大ニュースになっている。
無効なヴィザなのに、気づかなかったふりして入国させることなんてできないし、まして、気づかなかったなんてこともない!!!
 
◉ポールマッカートニー強制送還事件
1980年1月16日に、あのポールマッカートニーが来日したとき、
なんと大麻を持っていた。
で、成田空港で大麻FGメンに現行犯逮捕されて、9日間拘置されたあと強制送還されたことがあった。
有名な事件だよね。
でも、ポールマッカートニーはヴィザを持っていた
彼は入国する資格をもっていた。
それでも、日本の法律に触れたから、入国できなかった。
(留置所以外は)
それが日本だ。法治国家なんだよ。
ヴィザを持っていたとしても、入国するのには厳しい審査があるんだ。
 
◉現実に、ユダヤ難民は救われた!!!
でも、現実には、日本に到着したユダヤ難民たちは、日本に入国して、神戸にあったユダヤ人協会のもとへ続々とかけつけた。
そして、その後、アメリカなどに無事に逃げていったんだよ。
現実的に、彼らは救われたんだ。
よかったな〜〜!
どうしてだと思う?
彼らが入国できたのは、つまり、彼らの持っていたヴィザが「有効」だったからなんだよ。
わかるよね。
そうでなければ、入国審査で強制送還されていた。
でも、そうならなかったのは、彼らのヴィザが有効で、それは、つまり日本国が認めたヴィザだったことを意味しているわけだよ。
つまり、日本政府は、ユダヤ人へのビザ発行を禁止もしてないし、ユダヤ難民を拒絶もしてなかったということなんだ。
日本は入国の条件をつけたよ。
条件が満たされず、入国できない人たちもいた。
その人たちは可哀想だね。
で、神戸のキリスト教系団体が一生懸命尽力して再入国できたっていうケースもあった。
でも、圧倒的多数のユダヤ難民は、無事に日本に入国して、次の場所へと旅立っていった。
この事実は、日本政府が、ユダヤ難民の入国を許可したからに他ならない。
 
◉ユダヤ難民は日本政府の国策によって救われた
日本は、映画で宣伝されているように、ユダヤ難民へのヴィザ発行を禁止もしていないし、停止もしていない。
よって、杉原千畝は、日本に背く必要もなかった。
だから首にもならなかった。
実際には、日本はユダヤ難民対策として、一定の条件をつけたんだ。
その条件に従って、杉原はヴィザを発行したんだよ。
だから、ユダヤ人たちは日本政府のユダヤ人対策によって救われたんだ。
これは、杉原千畝の個人的なお手柄じゃない。
国策だったんだよ。
それなのに、まるで日本がドイツと同じような人種差別国家だったかのような印象を植え付ける捏造は、断じてあってはいけないし、こんな汚名を着せられることについては、
日本人としては、大声をあげて「こらー」と言わないとダメだよ。