BRIDGE ~世界に広げよう日本の心~

右でも左でもないど真ん中.石井希尚(Marre)のブログ

7. 集団的自衛権行使のデメリットってなあに?!

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さて、いよいよ今回はデメリットです。
集団的自衛権行使が容認されることによって、どんなデメリットがあるのでしょうね。
デメリットは、すでに多くの人が声をあげているとおりのことです。
日本が直接攻撃されていないのに、第三国に対して武力行使をする可能性がある!
ということ。
つ・ま・り・
同盟国が、どこかの国から武力攻撃を受けた場合、日本が支援の要請を受けたら、自衛隊を派遣して、その国の戦闘行為に加わる可能性が出て来る!
ということです。
じゃあ、現状、日本の同盟国ってどこかと言えば、言うまでもなく、わかりきったことですが・・「アメリカ様〜!!」
はい、そうです。
ということは、最も現実的な可能性として、アメリカが、武力攻撃をうけた際に、自衛隊を派遣する場合が『ある』ということですよ。
つまり、その場合は、自衛隊もアメリカ様と一緒に戦うことになる、と…。
え!!!そんなことしたら、ダメだよ〜
日本が直接攻撃されてないじゃないか!
攻撃もされてないのに、相手を攻撃するのか!
そんなことして、自衛隊員死んじゃうかもしれないじゃないっ!!
日本は戦争する国になるのか!
平和国家じゃなくなってしまうじゃないか〜〜〜!!!
そんなのだめだー!
っていうのが多くの人々の声ですね。
この「不安」はよーく分かります。
気持ちは一緒です。
きっとみんな。
っていうか、そうであってほしいっ!!
戦争しよーぜ!っていうのは「クレイジー」でしょ・・
でも、そこをぐっと抑えて、客観的に世界を見ると、
そもそも『同盟』っていうのは、
「こいつに手を出すってことは、俺に手を出すってことだぞ。わかってんだろーな!」
っていう関係になるってことです。
そうでないと、同盟の意味がないわけ。
相手にしてみたら
「あいつがついてるから、喧嘩すんのやめとこーぜ!」
となって初めて「抑止力」となるわけです。⑥参照
そうじゃなければ、同盟っていうのは全く意味がありませんから。
だから、同盟国が攻撃されたら、自分が攻撃されたのと同じような重要な意味をもつっていう「関係性」が基本です。

■アメリカの戦争にまきこまれる?
だけど、勘違いしちゃいけないことがあります。
よく「アメリカの戦争に巻き込まれる!」という反対意見を耳にするんですが、でも、アメリカが、どこかの国と始めた戦争に、日本が巻き込まれるということは、ありません。
ここがポイント!
ないの?
そう、ないです。
今回の法案が通っても、それは、で・き・ま・せん!!!
アメリカが始めた戦争で、アメリカがやられても、日本は「ああああ〜〜〜アメリカ様があぶない!」と見てるだけです。
え?そうなの??
実はそうなんです。
今回の法案には、今までどおり、とーってもハードルの高い「しばり」があって、日本が、アメリカ様を助けられるには、条件があるんですよ。
その条件をクリアしないといけません。
それは・・・
アメリカが、日本の安全にかかわる重要な活動をしていて、そこが攻撃されることで日本の安全が「脅かされる」ような事態が発生し た!!!
というときです。
これが、今回の法案で政府が出してきた「存立危機事態」っていう状態です。
この、「存立危機事態」にならないと、集団的自衛権を行使できません。
アメリカが、日本の安全と無関係に、アメリカの国益や権益のためにしかけた戦争では、法案は適応されません。
じゃあ、具体的にはどんな場合に、自衛隊が出る可能性があるんだよ?
ってことですが。
たとえば、よく例に出されるのは、日本の近くで、日本を守る役割を担っているアメリカの船が、どこかの国から武力攻撃をうけた、という場合ですね。
そういうことが、今すぐにおこるかどうかは別として、例として常に出てきます。
そのような場合は、日本の船が直接的に攻撃をうけてないけれども、日本は助けに行くことができます。
でも攻撃をうけただけじゃだめです。
アメリカ様から「頼む来てくれ」と要請されないといけません。
つまり、アメリカが
①日本の防衛にかかわる大事なことをしているのに
②攻撃を受けて、
③アメリカが「助けにきてくれ!と頼んできたら、
そのとき初めて日本は、集団的自衛権を行使するかどうかを
「選ばなければならない」
という事態に直面する、ということです。
 
■ 自分で決める!!!
もちろんこれは強制ではありません。
だから集団的自衛権を行使しなければならない、ということじゃない。
いちいち、全部のアクションで「国会承認」がないといけないんです。
ただ、緊急事態のときは、国会承認は「事後」にすることができます。
とりあえず、急がないといけないから自衛隊派遣して、その後に、承認してもらうってことです。
えー、じゃあ、国会承認が必要だって言ったって、ないよーなもんじゃないか〜!
とも言えますが、あとから国会が「承認しない」って言ったら、派遣した自衛隊は、撤退しないといけなくなるでしょうね。
もし、アメリカの行為を「ついてけねえ、無謀だ」と判断したら、集団的自衛権は「行使しない!」と決めてもいいんです。
実際、アメリカ様の同盟国で、大の仲良しイギリスが、紛争しているとき、アメリカ様は、助けなかったことだってあるんです。
だから、仲間だけど、そのときの事情で決めるってことです。
これが、できるのは、大人だな〜

■いけ、議会制民主主義!!!
たとえば、国民の大多数が「今回はいくら頼まれてもダメだ」と判断しているとしたら、それを無視して、強引にやってしまうと、なんてったって「軍事行動」ですから、今どころの反対じゃすまされませんよね。
逆風は暴風になって、内閣の支持率は、奈落の底に落ちることになるでしょうね。
すると、与党の座から転落ということにもなりますよ。
緊急事態だ!っていって、どう考えても無謀なことを「事後承認」で、「たのむわ!あとでOKして」なんて、自衛隊の派遣をきめちゃったときも同じでしょう。
だ・か・ら・
アメリカの要請で、日本が軍事行動に参加する可能性は否定できないけれども、国民が意志を示すことで、それを阻止することもできるってわけです。
これこそ議会制民主主義だぜ!!イエーイ!!!
ほんとーは、こういう自立した、大人の国じゃないといけませんよ。
一応言っておきますと、国連に加盟国している国は、どこの国も集団的自衛権を「行使できる」という立場で、これがワールドスタンダード
つまり標準です。
行使できないという立場は日本だけなんです。
つまり、どこの国も、一様に同じリスクを負っているということですよ。
みーんな同じなんです。
それをデメリットと考えるかは、その人によります。
 
■こっちがほんとーのデメリット
僕個人が考えるデメリットがありまして・・・。
それは、日本が、軍事的にアメリカ様との協調路線をとりすぎると、イスラム諸国を敵に回す可能性があるぞ!
ということです。
イスラムの国々にとって、日本は名士なんです。
いや、ヒーローですよ。
今まで一度もイスラムの国と戦争してないからです。
さらに、彼らから見ると、
日本はアメリカ様に原爆でめちゃくちゃにされたのに、不死鳥のように甦った!という奇跡の国なんですよ。
でも、アメリカはイスラムの絶対的な敵なんです。
で、彼らは言うわけ。
「日本はさ、なんであんな酷いことをしたアメリカにくっついてんだ?!
僕は、牧師っていう立場があって、恥ずかしながら、聖書とか中東方面、専門なんです、はい(汗)・・・。  
去年、僕が主催してるHEAVENESE(ヘヴニーズ)で、エルサレムに演奏に行きました。
エルサレム市から招待していただいたんです。
嬉しかったなあ・・
ガザとの停戦直後に。外務省にも後援していただいて、『民間音楽外交使節団』を自負していってきたんです。
大反響でした。
イスラエル人、パレスチナ人両方から、熱狂的に迎えていただきました。
そこで感じたのは「ジャパンブランド」のすごさです。
日本人は、パレスチナ人、イスラエル人の双方から「good people」と言われるんですよ。
僕たちを見ると、決まって人々は「oh you are good people!!」
お互いに殺し合っている、二つの民族がですよ。
日本人だとわかると、嬉しそうに、「good people」と言うんですね。
憎しみあってる二つの民族の両方の間に立てるんです。
日本は。これってすごいですよね。
ジャパンブランドっていうのは、ほんとーに、すごいんですよ。
これは、平和国家だからなんです。
この70年間、戦争してないからです。
でも、アメリカ様と仲が良すぎると、パレスチナ人を含むアラブ諸国の多くは、がっかりします。
でもって、警戒されちゃいます。
おまけに、イスラム過激派テロリストが、このやろー!って日本人を標的にするリスクは高くなりますね。
今は、日本はヒーローです。
この関係が保たれることが、とーにもかーくにも大事。
だから、難しいぞ。
アメリカ様との付き合い方は・・・。