BRIDGE ~世界に広げよう日本の心~

右でも左でもないど真ん中.石井希尚(Marre)のブログ

1. 日本国憲法前文の夢

憲法前文の夢

『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』

安保法制が騒がれている。
「戦争させない!」と反対する人々がシュプレヒコールを上げ、国会前でデモなどを展開するとメディアは必ずとりあげる。
人々は、不安を煽られ「反対」に回る。

今回安倍政権が目指している安保法案採決に向けて、国民的反対論が噴出するきっかけとなったのは憲法学者が「これは憲法違反だ」と発言したことによる。
自民党推薦の憲法学者さえも「違憲」と言ったのだから、さあ大変だ。
じゃあ、そもそも何が憲法違反なのかとういことを考えないといけない。
もちろん、ここで議論になっているのは憲法9条だ。
しかし、今だからこそ考えよう。
日本国憲法とはなんなのか?ということについて。

前もって言っておくが、僕は「平和」を求めている。
基本的に「反戦」である。
戦争反対。絶対するな!
これが基本。当たり前だ。
戦争をするべきだと考えている「クレイジー」な人間ではない。
皆さんもそうですよね?
平和を守ろう。
問題はどうやって守るかだ。
この大前提で日本国憲法を考えよう。

結論を言うと、この憲法や夢だ。
素晴らしい。理想だ。いやー、すごすぎる。あっと驚くほどの夢物語り。
9条を論じる前に、前文の段階で「ショック死」しそうな程理想的なものである。
前文というのは、憲法全体の意義や性質を説明している部分であって、この前文が憲法の趣旨の全体を説明している。
そこになんとあるだろう。
こうある。

『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』

あっと驚きませんか?
これを読んで、心がざわざわしない人は、現実世界じゃなくて、夢を見ている人です。
前半の「崇高な理想を深く自覚する」まではいい。
そうだ!と思う。
いいぞ!理想だ。

しかし、そのあとが驚愕である。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我々の安全と生存を保持しようと決意した」
え???
わかるよね。意味が。
諸国民の公正と信義とに信頼して・・・

え〜???ほんと?これ・・まじで。それでいいの?

この意味は、日本の安全と生存を保持する大前提は、「世界の人々の正しさと約束を絶対まもる信義」とがあるからという
ことだ。
世界の人々はみな平和を愛していて、正しいし、間違ったことを絶対にしないから、彼らを信頼して、日本はいきていこう!という意味。
他国は絶対に侵略もしないし、領土侵犯もしないし、国際法を遵守するし、間違ったことは行なわないし、絶対に戦争なんてしようと思わないから、日本は安心できる。世界は素晴らしいな。
だから我々も、戦争なんてしませんよ。
というおとぎ話のような大前提が、日本国憲法なのだ。
だから、平和憲法なのだよ。
絶対に侵略されることなんてないんだから、武力なんてもってはいけない!
日本は永遠に武力を放棄する!!!
わーい!!!
世界平和だー!
これが前文である。

そうだ。そうだ。世界はみんな正しいんだから。
戦争しようなんていう国、そんな輩はいないんだから。
中国は絶対に侵略してこないよね。
中国をみればわかるよね。国境問題なんてどこの国ともないよね。
ロシアは絶対、クリミア半島を力づくで奪い取らないよね。
テロリストたちはイラクで仲良くしてるよね。
シリアはイスラム国の脅威なんて感じてないよね。
北朝鮮が飛ばしてるのはミサイルじゃなくてアドバルーンだよね。
竹島は日本だから、自由に旅行できるよね。

ああ、目がくらくらしてきた。
さすがだ。